札幌発釧路行きの夜行バスに初めて乗って移動してみた。
料金は5000円ほどと破格に安い。しかし、体は少し痛い。あんまり頻繁に乗るもんじゃないと思った。
釧路駅を照らす朝日が綺麗で、雲は早く流れていた。
朝7時頃からやっているカフェを探して向かう。
北海道らしい造りの建物の1Fに若干取ってつけたようなレンガ壁のドアのある喫茶店「エルシド」。
開け放たれた玄関。7:30。開店と同時に入る。
古ぼけた卓や椅子が所狭しと並び、本棚には「まんが本」と新聞と雑誌とよくわからない小説らしき文庫本が並べられている。
「昭和喫茶」の趣たっぷりの喫茶店だ。
客はボク一人。もちろんモーニングを頼んだ。
注文を終えて暫くすると、店内にはちょうど、ドビュッシーの「月の光」がかかっていることに気が付いた。あけ放たれた玄関からは、たまに車が通り過ぎる音と、港を飛び回るカモメの鳴き声が入って来るのだか、夏の朝の穏やかさとあいまって、不思議と月の光にマッチしていた。
椅子はとても使い古されていて、背は直角のソファ。ソファはもうクタクタでクッションはほぼない。
老夫婦となった今も喫茶店をされている。
何年くらいやってるんですか?と聞くと奥さんは小声で47年と答える。
自宅兼喫茶店。この喫茶店で子ども3人を育て、大学にも行かせたんだど、控え目に誇らしく話すマスターの姿が印象的だった。
ボクは変転の人生をここまで歩んできたけども、エルシドの老夫婦はやや半世紀に渡り喫茶店業を営んでらっしゃる。
ボクにそんなことができるだろうか。いやできないだろう。
人の性。繰り返しの中にある人や変転の中にある人、それぞれが負った性に従って人は生きているのかもしれない。
それに自覚的になれた時「すべてよし」と思えるのだろう。そしてそれは人性におけるささやかな勝利なのだ。
そんなことを考えながら、モーニングを食べていた。
しかし。なぜモーニングにスイカがついているんだろう?
この世の不条理は日常にいくつもある。
店内にはピアノ曲が流れている。










| URL | *** |
| Address | 北海道釧路市川上町6-1 |
| More | https://tabelog.com/hokkaido/A0112/A011201/1015269/ |
| Notices | 2024/08/24 |
